世界のパフォーマンス観察5の日ブログ

PUPPETIONの構成作家AOKI氏による
プレイヤーの観点から観た世界のパフォーマンス観察5の日ブログ

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2007.02.16 Friday

第25回 イリ・キリアン(ネザーランド・ダンスシアター)

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    本日はというネザーランド・ダンスシアターというバレエ団の鬼才イリ・キリアン氏(振付家)の作品のひとつでモーツァルトの楽曲で行われる映像を使ったものがある。
    その作品について書いてみようと思う。


    このイリ・キリアンという人はインタビューで「映像とは過去の物でありもう死んでいる物である為,好きではない」といい,あえてその特性を用いてこの作品を作ったと語っている。


    中世のヨーロッパ貴族を題材とした作品で、登場人物は4名。場所は城である。
    「過去と現在」「光と闇」「生と死」を表現しているように感じられるとても深くアーティスティックな作品である。



    そして映像はどんどん過去にさかのぼっていきながら、舞台は先に進んでいくという不思議な展開。

    作品自体は何章かに分かれているのだが、まず初めにテーブルに座った4人と、映像の中の4人(舞台の4人と同一人物である)の8人で同じスチェーションで構成される所から始まる。


    ただ実際のステージ側と映像の中では違いがたくさんみられる。
    例えば、ステージの方には映像にあるテーブルの上の羽根などがない、
    映像では振り付けをワザと間違えている人がいたりもする。
    と、結構あちらこちら変えている。


    そこには物凄く深い意味を持たせているように思う。


    自分がこの時感じたのは、まるで実際のステージでは人の外見を、
    映像の中では人の内面、気持ちをあらわしたのではないだろうか。



    その後、何故映像ではテーブルの上に羽根があったのか、その羽が何を意味するのかが過去に進んでいくことで少しずつわかってくる。

    そして城の間取りもわかってくる。

    その他にもその場にいないはずの人が映っていたりとか、鏡を使っていたりとか・・・。

    そんな感じで映像の中にヒントを交えながら、ストーリーが展開される作りになっていると思われる。

    そして過去と現在が交差する場面もあったりする。


    まぁ、自分も気付いていないヒントも数多くあるのであろう。
    それがわかると、ますますおもしろい作品になっていくと思われる。


    しかし、こんな形で映像と舞台をリンクさせるアーティストがいたであろうか??

    まるで映像と、舞台上で流れている時を操るかのような不思議な作品である。


    今日は、この作品を観たことのない人には、うまく伝わっているのかわからないのです。
    それほど、一度観てみないと何ともわからない、とても濃い不思議な作品です。


    天才を超えた鬼才を味わいたい人にはとてもお勧めのバレエ団であります。
    今後このネザーランド・ダンス・シアター、イリ・キリアン要チェックが必要ですよ。

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